top of page

お薬は届くけど、安心感は届かない件

訪問診療って、「家まで処方だしにいく」じゃない。そう思う場面が、現場にいると何度もあります。

外来診療の延長線上で訪問診療をやると、起きがちなことがあります。それが、今日のタイトルの通り——お薬は届くけど、安心感は届かない、という状態です。


訪問診療が「処方の宅配」になる瞬間

たとえば、こんな形です。

  • 聞きたいことがあるのに、患者さんが遠慮して聞けない(聞きにくい)

  • こちらも時間に追われて、話は聞いた“つもり”で終わってしまう

  • カルテだけ見て「いつも通りで」→処方DO

もちろん、忙しい現場で「効率」が必要なのは分かります。でも、この状態が続くと、患者さん側にはこう残ります。

「結局、ちゃんと診てもらえてるのかな?」「話しても変わらないなら、もういいや」

薬は届いている。でも、いちばん大事な安心感が届いていない。


医療不信の根っこは、ここにもあると思う

昨今、「赤字病院が多い」「医療が厳しい」という話題をよく聞きます。構造的な要因(人口動態、診療報酬、物価高、人材不足など)が大きいのは大前提として。

それでも現場感として、もう一つ思うことがあります。

こうした“薄い医療体験”が積み重なって、医療不信が静かに広がっているのではないか。

「何をしてくれる病院なのか分からない」「説明もなく薬だけ増える」「相談しても流される」

信頼が落ちれば、受診控えや、必要な医療へのアクセス低下にもつながる。それは巡り巡って、地域医療の体力も削ってしまう気がしています。


でも、なんでも応えるのが正義ではない

一方で、僕たちは“過剰な医療”もやりたくありません。

例えば、「土日に鼻水が出るから薬だけすぐ欲しい」「とりあえず出しといて」みたいなオファーに、何でもかんでも応えることが、本当にその人のためか。

医療はサービス業の側面もあるけれど、同時に、必要な人に必要な医療を、適切な形で届ける仕事でもある。

だからこそ大事なのは、極端じゃなくて、**“いい塩梅”**なんだと思います。

  • 受け止めるべき不安は、ちゃんと受け止める

  • 介入すべきリスクは、見逃さない

  • でも、過剰な処方や過剰な要求には、誠実に線を引く

このバランスを、チームで一緒に守りたい。


「安心感を届けたい」と思える人と働きたい

逢縁クリニックがやりたいのは、処方を届けるだけの訪問診療ではありません。

暮らしの中で、患者さんが安心して日々を過ごせるようにする。そのために、医師だけじゃなく、看護師、リハ、事務、連携先のみなさんも含めて、チームで支える。

タイトルの「薬は届くけど、安心感は届かない」に、もし共感してくれる人がいるなら。そして、“安心感を届ける側”になりたいと思ってくれるなら。

ぜひ、当院の門を叩いてください。僕たちは、そういう仲間と一緒に在宅医療をやっていきたいです。

📞 お問い合わせ逢縁クリニック

📍札幌本院:札幌市北区北33条西2丁目1-15 KANTINE

📍白老町:白老町東町4丁目6-7 白老町総合保健福祉センター(いきいき4・6)内

 
 
 

最新記事

すべて表示
訪問診療とは?対象になる人・ならない人を具体例で解説(在宅医療の始め方も)

「訪問診療って、どんな人が受けられるの?」 「寝たきりじゃないと対象にならない?」 「介護タクシーを使えば通院できるけど…それでも訪問診療の対象?」 こうした疑問はとても多いです。この記事では 訪問診療とは何か  を整理したうえで、 対象になる人・ならない人  を具体例でわかりやすく解説します。 訪問診療とは(在宅医療との違い) 訪問診療 は、医師が計画的にご自宅や施設へ伺い、 定期的(例:月2回

 
 
 
訪問診療の対象って、実はもっと広い。―「通院できている=通院が容易」ではありません

訪問診療って、寝たきりの人や末期がんの人が対象ですよね?」ケアマネジャーさんやご家族から、こう聞かれることがよくあります。 でも実際の現場では、訪問診療の対象はもっと広いです。なぜなら、制度上の考え方はシンプルで、基本は 「継続的な診療が必要で、ひとりで通院が困難な方」 だからです。疾患名で線を引くというより、 通院の困難さ がポイントになります。 「通院できている人」は対象外?…実はそこが落とし

 
 
 

コメント


逢縁クリニック

診療時間 月〜金 9:00~17:00

北海道札幌市北区北33条西2丁目1-15 KANTINE 2-3F

bottom of page