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訪問診療で出会った、静かな最期と騒がしい現実

先日、定期訪問で患者さんのお宅を訪れたときのこと。チャイムを鳴らしても応答がありません。電話を鳴らしても出ない。ふと新聞受けを見ると、何日分もの新聞が溜まっていました。

こういう時、在宅医療では決まった対応の流れがあります。

  1. 管理人やご近所に状況を確認する

  2. 鍵屋さんに来てもらう(立ち会い必須)

  3. 警察官の立ち会いのもと開錠する

今回の患者さんは90歳を超える高齢の方でした。室内で静かに息を引き取っておられました。


本来であれば、私たちがその場で看取り、

静かにお別れをしていただきたかった。

しかし、警察を呼んだ以上、事件性がないかの確認は避けられません。

救急車、消防車、警察、そして刑事。

いつもの穏やかな居室は一転、慌ただしい空気に包まれました。


「最期くらいは静かに」医療者としても強く願うことですが、現実には、私たちだけで事件性を完全に否定することはできません。だからこそ、どうしても警察に依頼せざるを得ないのです。

こうしたケースは決して珍しくありません。おひとり暮らしの方や、高齢世帯では特に起こりやすい出来事です。訪問診療の現場では、「元気に暮らす日常」と「ある日突然訪れる別れ」が、ほんの紙一重で隣り合わせにあります。

この経験を通して、「どうすれば最期をもっと穏やかに迎えられるのか」私たち医療者はこれからも考え続けたいと思います。

📞 お問い合わせ逢縁クリニック

📍札幌本院:札幌市北区北33条西2丁目1-15 KANTINE

📍白老町:白老町東町4丁目6-7 白老町総合保健福祉センター(いきいき4・6)内

📞TEL:070-9003-3302

 
 
 

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