【訪問診療は「来れば安心」…だけではない】
- 恭祐 昼八
- 2 日前
- 読了時間: 2分

在宅医療をしていると、ご家族や施設スタッフからよくこう言われます。
「とりあえず来てもらえれば安心です」 「診てもらえれば何とかなるので…」
もちろん、診察に行くこと自体が大事なのは間違いありません。でも実は、訪問診療の現場では**「行った後に何をするか・何を考えるか」が本当の仕事**です。
🩺 来ただけで治療は始まらない
血圧測定する
聴診器をあてる
顔色を見る
これだけなら正直、誰でもできます。
でもそこで重要なのは、
その血圧は「普段と比べてどうなのか」
その表情は「病的なのか、生活上の疲れなのか」
今日の症状は「病気の進行なのか、一時的な波なのか」
比較し、考え、次の一手を決める。
そこに医師の介入価値があります。
🤔 安心のための「出動」になりすぎると…
診察 → 「まあ今は大丈夫そうですね」
診察 → 「点滴は今は不要です」
診察 → 「脱水ではないですね」
診察 → 「熱はあるけど経過観察で」
…つまり、診断には至らず“確認だけ”で帰るケースも多くあります。
もちろん、それも仕事です。でも「毎回呼べば安心」というスタイルが常態化すると、→ 診療リソースの無駄遣い→ 本当に必要な緊急対応の優先度が下がるリスクもあります。
📊 診療の質は「診る準備」に左右される
実は、事前に提供される情報がとても大事なんです。
体重は?
水分は?
排便は?
直近の食事量は?
服薬は?
既往歴は?
家族の心配ポイントは?
これらが整理されているほど、診察は“考える仕事”に集中できます。
🤝 「診に行く」と「判断する」はセット
訪問診療は「来てくれた」だけでは意味が半分。正しく現状を把握して、判断を持ち帰ることが仕事です。
だからこそ、「行く前」「行く途中」「行った後」すべてが大事。
私たちは今日も、「安心させるために行く」のではなく、「正しく考えるために行く」診療を心がけています。
📞 逢縁クリニック「行く」だけじゃなく「考えに行く」訪問診療を提供しています。
📞 ご相談・お問い合わせ
逢縁クリニック
TEL:070-9003-3302
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