top of page

【Vol.1】まず何が不安?「訪問診療で何ができるの?」という情報ギャップ

ree

「入院・外来に通えない=医療が止まる?」——

いいえ。訪問診療は**“病院の代替”ではなく、“暮らしの中で医療を最適化する仕組み”です。まずは、在宅でできること/できないこと**を同じテーブルに並べて、不安を“見える化”します。

1|在宅で「できること/できないこと」

できること(例)

  • 定期診療(バイタル・診察・処方調整)

  • 採血・尿検査・創処置・在宅酸素・皮下点滴(必要時)

  • 痛み/呼吸苦/不眠/不安の緩和ケア

  • 24時間の連絡体制+必要時の緊急往診

  • 多職種連携(訪問看護・リハ・ケアマネ)

  • 看取り(在宅/施設)

難しいこと(例)

  • 高度画像検査(CT/MRI など)は提携先で実施

  • 侵襲的/専門的手術や急性期管理は病院が主戦場

  • 長期入院での集中的リハや化学療法の一部

コツ:在宅を“主戦場”にしつつ、必要な時だけ外来・入院にブリッジする発想へ。

2|最初の壁は「夜間・急変が怖い」

  • 誤解:「先生に直通じゃないと不安」

  • 実際:事務がトリアージし即医師へ直結→指示/往診判断。救急要請が適切な時は迷わず連携。

  • 見える化:冷蔵庫に緊急時フロー(①誰に ②何を ③どうする)を貼るだけで不安は半減。

3|“試行導入”でOK——月1回から始める

いきなり切替でなくて大丈夫。

  • 月1回のフォロー訪問夜間連絡票から

  • 外来主治医と併走期間をつくる

  • 自宅の環境・家族の不安・ケア資源を“触って”確かめる

スタートは小さく・早く。不安の“仮説”を1つずつ潰していくのが移行成功の近道。

4|家族の「してあげたい」を尊重しつつ、医学的に整える

  • 点滴の現実:老衰/終末期ではむくみ・呼吸苦・吸引増のデメリット大

  • 代替策口腔湿潤・少量ゼリー・楽な体位で“つらさ”を下げる

  • 説明の型利点/不利益/やらない場合の3点セットで意思決定

  • 無理に食べさせないことも、やさしいケア」を丁寧に共有

5|チェックリスト:移行前に決めておく5つ

  • □ 夜間の連絡先最初のひと電話

  • 緊急時フロー(往診/救急/様子見の目安)

  • 薬の見直し(ポリファーマシー是正)

  • ACP(人生会議)の入口:望む/望まない医療・場所

  • 費用の概算(医療・介護・公費の組合せ/通院コストも含めて)


次回 Vol.2 は「病院→在宅の橋渡しが難しい」を取り上げ、退院前カンファで絶対に決める5項目をテンプレ付きで解説します。

📞 お問い合わせ逢縁クリニック

📍札幌本院:札幌市北区北33条西2丁目1-15 KANTINE

📍白老町:白老町東町4丁目6-7 白老町総合保健福祉センター(いきいき4・6)内

 
 
 

最新記事

すべて表示
要支援/要介護の使い分け 完全ガイド(図解・保存版)

3分で要点→10分で実務が分かる 。申請の流れ、サービス早見表、費用・見直しの勘所を在宅医療の視点でまとめました。 (自治体・個別条件で変わる点は注記しています) ① 超要点(図解 ┌──────────────┬──────────────────────────┐ │ ...

 
 
 

コメント


逢縁クリニック

診療時間 月〜金 9:00~17:00

北海道札幌市北区北33条西2丁目1-15 KANTINE 2-3F

bottom of page