【Vol.1】まず何が不安?「訪問診療で何ができるの?」という情報ギャップ
- 恭祐 昼八
- 12 分前
- 読了時間: 2分

「入院・外来に通えない=医療が止まる?」——
いいえ。訪問診療は**“病院の代替”ではなく、“暮らしの中で医療を最適化する仕組み”です。まずは、在宅でできること/できないこと**を同じテーブルに並べて、不安を“見える化”します。
1|在宅で「できること/できないこと」
できること(例)
定期診療(バイタル・診察・処方調整)
採血・尿検査・創処置・在宅酸素・皮下点滴(必要時)
痛み/呼吸苦/不眠/不安の緩和ケア
24時間の連絡体制+必要時の緊急往診
多職種連携(訪問看護・リハ・ケアマネ)
看取り(在宅/施設)
難しいこと(例)
高度画像検査(CT/MRI など)は提携先で実施
侵襲的/専門的手術や急性期管理は病院が主戦場
長期入院での集中的リハや化学療法の一部
コツ:在宅を“主戦場”にしつつ、必要な時だけ外来・入院にブリッジする発想へ。
2|最初の壁は「夜間・急変が怖い」
誤解:「先生に直通じゃないと不安」
実際:事務がトリアージし即医師へ直結→指示/往診判断。救急要請が適切な時は迷わず連携。
見える化:冷蔵庫に緊急時フロー(①誰に ②何を ③どうする)を貼るだけで不安は半減。
3|“試行導入”でOK——月1回から始める
いきなり切替でなくて大丈夫。
月1回のフォロー訪問+夜間連絡票から
外来主治医と併走期間をつくる
自宅の環境・家族の不安・ケア資源を“触って”確かめる
スタートは小さく・早く。不安の“仮説”を1つずつ潰していくのが移行成功の近道。
4|家族の「してあげたい」を尊重しつつ、医学的に整える
点滴の現実:老衰/終末期ではむくみ・呼吸苦・吸引増のデメリット大
代替策:口腔湿潤・少量ゼリー・楽な体位で“つらさ”を下げる
説明の型:利点/不利益/やらない場合の3点セットで意思決定
「無理に食べさせないことも、やさしいケア」を丁寧に共有
5|チェックリスト:移行前に決めておく5つ
□ 夜間の連絡先と最初のひと電話
□ 緊急時フロー(往診/救急/様子見の目安)
□ 薬の見直し(ポリファーマシー是正)
□ ACP(人生会議)の入口:望む/望まない医療・場所
□ 費用の概算(医療・介護・公費の組合せ/通院コストも含めて)
次回 Vol.2 は「病院→在宅の橋渡しが難しい」を取り上げ、退院前カンファで絶対に決める5項目をテンプレ付きで解説します。
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