いま、訪問診療が増えている理由とこれから
- 恭祐 昼八
- 1 日前
- 読了時間: 3分
― 現場から見える“情勢”と課題・逢縁クリニックのスタンス
ここ1~2年、札幌でも白老でも訪問診療の相談と受診が明らかに増えています。「通院が負担」「家で看取りたい」「──問い合わせの中身も幅広く、**“病院一択”から“暮らしに合わせて選ぶ”**時代に手応えを感じます。
なぜ増えている?(需要サイドの変化)
超高齢化と通院負担:階段・雪道・待ち時間…移動コストが現実問題に。
家での最期志向:家族に囲まれて過ごしたい・看取りたいという希望が一般化。
医療的ケア児・小児の在宅:保護者の付き添い負担を減らしたいニーズが増加。
“支える医療”への理解:検査や点滴の“引き算”が楽にする場面を、家族も体験的に学び始めた。
政策・制度の追い風(供給サイドの環境)
地域包括ケア・外来機能分化の流れの中で、在宅医療の役割は拡大傾向。
訪問看護・歯科・薬局等の在宅対応が横に拡がり、家で完結するケースが増えた。
近年の診療報酬では、連携・ACP(人生会議)・看取りの評価が進む傾向に。→ クリニック側も在宅専任のチームを組みやすくなりました。
それでも“壁”はある(現場で感じる課題)
人材確保と燃え尽き:24時間体制と質の両立。
夜間対応の誤解:「医師直通でなければ不安」→“最速で正しい判断”に至る体制づくりが要。
多職種の分断:噂や温度差で連携が乱れる。共通のサマリーと定期レビューで解消を。
費用が分かりにくい:医療・介護・公費の“3つの財布”で見える化が必要。
信頼の毀損リスク:一部の不正報道も。透明性と説明責任が地域での信用を左右。
逢縁クリニックの答え(私たちの運用)
“受け入れの時間”に伴走:老衰や終末期は“足し算より引き算”。利点/不利益/代替を同じテーブルに。
月1回からの導入:外来と併走し、家の環境・家族の不安を“触って”確かめるところから。
夜間は事務→医師へ即時直結:SOS 5+3でトリアージ、在宅/往診/救急の判断を数分で。
A4在宅サマリー:目標・薬・緊急フロー・連絡先を1枚に。冷蔵庫共有+月1レビュー。
看取り体制:昨年は100件超の看取り。今年は医師増員でより手厚く。
小児も対応:**月1訪問~**からOK。医療的ケア児の家族負担を軽く。
横の連携:訪問看護・歯科・薬局・リハと**“家で完結”できる網**を構築。
関係者別の“次の一手”
ご家族へ:迷ったらまず一本の電話。点滴や検査は**「今日の体に合うか」**で判断。
ケアマネ・施設へ:退院前から在宅サマリーを共通言語に。夜間フローをカード化。
病院の皆さまへ:退院前カンファ30分で5項目(連絡線・薬・緊急フロー・物品・ACP)を合意。
地域の皆さまへ:ケアカフェ等の場で“わくわくする実装”を一緒に。月1オンライン連携歓迎。
採用(看護師・医師):提案型の支援が好きな方、ぜひ。直行直帰OK・在宅の醍醐味あります。
よくある質問(Q&A)
Q. 何から始めればいい?A. 月1回の訪問+夜間連絡票から。外来主治医と併走でOK。
Q. 家でどこまでできる?A. 診察・処方調整・採血・創処置・緩和・看取りまで。CT/MRI等は提携先でブリッジ。
Q. 費用は?A. 医療・介護・公費の3つの財布で設計。通院の“見えないコスト(タクシー・待ち時間)”もゼロに。
まとめ
訪問診療は“病院の代わり”ではなく、暮らしを主語に医療を設計し直す仕組みです。地域の仲間と「家でできる」を増やし、穏やかな時間を積み重ねていきます。まずは短い相談からどうぞ。
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