【「お風呂、最後にいつ入りましたか?」】何年も入浴していない方と出会って思うこと
- 恭祐 昼八
- 6月9日
- 読了時間: 2分
訪問診療をしていると、ときどき耳を疑うような話に出会うことがあります。
「もう3年くらい、風呂に入ってないな」「寒くてね。お湯をためるのも大変で…」「昔、転んでから怖くなっちゃって」
驚かれるかもしれませんが、実際に「何年もお風呂に入っていない」という方は、けっして珍しくありません。
🚿 入浴していないことの身体への影響
単に「清潔じゃない」という問題にとどまりません。
❌ 皮膚トラブル
古い角質や汗、皮脂が蓄積しやすくなり、皮膚が荒れやすくなります
湿疹やかゆみ、感染症(とくに真菌や細菌)リスクも高くなります
❌ 感染症の温床に
とくに陰部・足の間などは蒸れやすく、褥瘡や白癬(いわゆる水虫)につながることも
❌ 認知・精神面への影響
自分の匂いや状態に敏感になり、他人との接触を避けるようになる
引きこもりやうつ状態を助長することも
🧠 でも、「入らない」のには理由がある
誰だって「清潔でいたい」「お風呂は気持ちいい」と思っています。それでも入らない、入れない理由があります。
転倒が怖い(過去に浴室での骨折経験あり)
誰にも見られたくない(羞恥心や介助の抵抗)
経済的な事情(ガス代・水道代の節約)
「どうせまた汚れるし」とあきらめの気持ち
私たちは、“入ってないこと”を責めるのではなく、“入れなかった理由”を一緒に探します。
🩺 医療と生活はつながっている
お風呂に入れないことが、
皮膚の問題になり
感染の引き金になり
QOL(生活の質)をじわじわ下げていく
生活のことは、医療のことでもあると、訪問診療を通して実感しています。
🏥 逢縁クリニックの取り組み
当院では、
清拭や陰部洗浄の指導
訪問看護との連携による入浴支援
介護サービス導入の提案
ヘルパーさんの訪問調整など、少しでも「心地よく暮らせる」ようなお手伝いをしています。
💬 最後に
「お風呂、入れてないんです」と話してくれたその方に、私たちはこう言います。
「じゃあ、入れる方法を一緒に考えましょうか」
お風呂に入れたその日、ほっとした顔で笑ってくれるその姿を、私たちは何度も見てきました。
📞 ご相談・お問い合わせ
逢縁クリニック
TEL:070-9003-3302
お風呂に入ることは、ぜいたくじゃない。清潔は、心と体の健康の土台です。「入れない理由」がある方こそ、逢縁に相談してくださいね。
Comments