「かかりつけ医がいる」場合の訪問診療:併診・紹介の考え方(家族・ケアマネ向け)
- 恭祐 昼八

- 13 分前
- 読了時間: 4分
「昔から通っている先生がいるけど、通院が難しくなってきた」
「かかりつけ医を変えたくない。訪問診療は頼める?」
「併診ってできるの?」
この相談はとても多いです。結論から言うと、“かかりつけ医がいる=訪問診療はできない”ではありません。ただし、在宅では 役割分担 と 紹介(情報共有) の設計が重要になります。
まず前提:在宅は「主治医」を誰にするかがポイント
訪問診療は、単発の往診ではなく 継続管理 が前提です。そのため在宅に切り替える時には、
誰が“主治医”として継続的に診るのか
既存のかかりつけ医とはどう連携するのか
を整理します。
パターン1:かかりつけ医→訪問診療へ「紹介」して主治医を切り替える(最も多い)
こんな時に向いています
通院が難しく、外来継続が現実的ではない
薬の調整や体調変化が多く、在宅での管理が必要
雪・介護負担などで受診が飛びがち
看取りや緩和ケアも視野に入っている
流れ
かかりつけ医に「訪問診療を検討している」と相談
紹介状(診療情報提供書)を作成してもらう
訪問診療クリニックが主治医として介入開始
必要時に元のかかりつけ医へ情報共有
この形が一番スムーズで、患者さん・家族の負担も減りやすいです。
パターン2:かかりつけ医は継続しつつ、訪問診療は「部分的に併診」(条件付き)
「かかりつけ医を続けたい」という希望はとても自然です。ただし、ここは誤解が起きやすいポイントで、“二重主治医”は基本的に難しいことが多いです。
併診が成立しやすい例(イメージ)
専門外来(例:循環器、神経内科、腫瘍など)を継続しつつ、在宅の主治医は訪問診療が担う
かかりつけ医が専門医として時々外来で診て、日常管理は訪問診療が担当
外来受診がまだ成立している間の“移行期”として短期間併用
成立しにくい例
同じ内科領域で、両方が薬を出す/方針を決める
どちらが責任を持つか曖昧なまま「とりあえず両方」
医療保険制度上、管理料などの算定がぶつかる形
併診は「気持ちとしては分かる」一方、運用が曖昧だとトラブルの元になります。役割と責任の線引きができる場合に限って検討しやすいです。
パターン3:訪問看護だけ入れて、かかりつけ医外来を続ける(通院がまだ可能な人)
通院はなんとかできる
でも在宅でのケアや観察が必要(褥瘡、服薬管理、状態観察など)という方は、外来+訪問看護で安定することがあります。
ただし、通院が限界になってきたら、訪問診療へ切り替える方が安全です。
「紹介」の考え方:かかりつけ医の価値を“切らさない”
紹介=関係を切る、ではありません。
在宅に切り替えても、かかりつけ医が長年見てきた経過や価値観は重要です。紹介状には、病名や薬だけでなく
これまでの経過で大事だったこと
急変時の注意点
本人・家族の希望
生活背景
が書かれていると、在宅はかなりやりやすくなります。
かかりつけ医がいる時に、家族がやると良いこと
1)「通院が難しい」ことを具体的に伝える
雪で受診が飛ぶ
介護タクシーが必須
付き添いが仕事を休めない
受診後に寝込むなど、“続けられない理由”を言語化すると、紹介がスムーズです。
2)「どちらを主治医にするか」を決める
迷うなら、こう考えると簡単です。
日常の管理(薬・急変対応)を任せたい → 訪問診療が主治医
専門外来は必要に応じて継続 → 併診(役割分担)
3)情報を一つにまとめる
お薬手帳
直近の検査結果
退院サマリーや紹介状(あれば)
これがあると初回から精度が上がります。
まとめ:かかりつけ医がいても訪問診療は可能。鍵は「役割分担」
一番多いのは 紹介で主治医を訪問診療へ切り替えるパターン
併診はできる場合もあるが、責任の線引きが必須
かかりつけ医の価値は在宅でも活きる。紹介状と情報共有が重要
「うちはどの形が良い?」は、病状・通院状況・希望で変わります。当院では、かかりつけ医がいる方の在宅移行も含め、現実的な形を一緒に設計します。お気軽にご相談ください。
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