「病院に行くほどじゃないけど、なんかつらい…」不定愁訴とは?よくある症状と、訪問診療でできること
- 恭祐 昼八

- 7月28日
- 読了時間: 3分
はじめに
「なんとなくだるい」「眠れない、食欲がない、でも検査しても異常なし」こうしたはっきりとした原因の見えない不調を、「不定愁訴(ふていしゅうそ)」と呼びます。
特にご高齢の方ではよく見られるもので、体と心、生活環境が複雑に絡み合って起きているケースも少なくありません。

👵訪問診療でよく聞く“なんとなく”の訴え
私たちが実際にお宅に伺って聞くことが多い不定愁訴には、こんなものがあります:
「最近、なんとなく元気が出ない」
「夜中に何度も目が覚める」「眠れない」
「食事の味が薄く感じる、食欲がない」
「足がだるい」「むくんでいる気がする」
「イライラする」「気持ちが落ち着かない」
「人と話すのがおっくう」「誰とも会いたくない」
「あちこち痛い」
「足がむずむずする」
「この薬が体に悪さをしている」
「上の階で人が死んでる」
これらは単なる“加齢”や“気のせい”と片づけられがちですが、背景に病気が隠れていることも少なくありません。
🩺 不定愁訴の原因は「複数の小さな問題」の積み重ねかも
たとえば、
薬の副作用(実は3剤以上でぐったり…)
睡眠リズムの乱れ
孤独・不安
軽度のうつ症状
運動不足や筋力低下
慢性疾患の微妙な悪化(心不全、貧血など)
など、いくつかの要因が重なって体調を崩すことがあります。こうしたときこそ、じっくり話を聞ける訪問診療の出番です。
💡「検査は異常なし」で終わらせない医療を
病院での検査結果に異常がなくても、「でも、つらさは本人にしかわからない」ということがありますよね。
訪問診療では、生活環境や日々の体調の変化も含めて診ることができます。ちょっとした声かけや、薬の調整だけで改善することも少なくありません。
🏠「困ったら相談していいんだ」と思える場所に
「病気じゃないから相談しちゃいけない」なんてことはありません。不定愁訴こそ、“病気未満”の段階でのケアがとても大切です。
在宅医療には、病気だけでなく「生活と心の医療」が含まれています。「ちょっと気になるけど様子見で…」と思っている方がいたら、ぜひ一度ご相談ください。
⚠️ すべてに“すぐに完璧な答え”が出せるわけではありません
私たちは、患者さんの「なんとなくつらい」「これって歳のせい?」という声に真摯に向き合うように心がけています。ただし、すべての不定愁訴に対して、すぐに原因を特定して解決できるとは限りません。
「医学的な対応が難しいケース」や、「しばらく様子を見るしかないケース」もあります。それでも、“話してよかった”“わかってもらえた”という実感が、不調の軽減につながることもあります。





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