『19番目のカルテ』と訪問診療——病院の“問診”を暮らしへつなぐ
- 恭祐 昼八

- 9月19日
- 読了時間: 3分
テレビドラマ『19番目のカルテ』は、総合診療医が“目の前の病名”だけでなく患者さんの物語を診ていく姿を描きます。私たち逢縁クリニックの訪問診療は、その視点を病院の外——ご自宅の暮らしへと延長する医療です。
病名を見つけることがゴールではなく、暮らしがうまく回ることがゴール。
ドラマの見どころと、訪問診療のリアル
問診の力:ドラマの肝は“問う力”。訪問診療では、生活リズム・食事・服薬・トイレ・寝室動線まで問診の対象。家に入ると見えてくる真因があります。
全人的(ホリスティック):検査値だけでは説明できない倦怠感・ふらつき・不眠。薬剤の副作用+脱水+生活変化など、複合要因の絡みをほどきます。
チーム連携:看護、リハ、ケアマネ、デイ、薬局、福祉用具。病院の“科”の代わりに、在宅では多職種が臓器横断のチームになります。
意思決定支援(ACP):検査・治療の是非、場所の選択、看取りの形。ご本人の価値観がブレない支援こそ在宅の要。
診察頻度を決めるときの“判断軸”
病状の安定性:ここ1〜3か月の変動、急変歴の有無
服薬管理:一包化・ピルケース・家族/介護者の見守り状況
ADL/IADL:食事・水分・トイレ・家事の自立度
見守り体制:同居家族、近居家族、訪問看護、デイサービス等
リスク要因:脱水・低栄養、褥瘡、転倒、誤薬、せん妄、嚥下
通院/訪問環境:移動手段、季節要因(冬場の転倒・外出困難 など)
月1回でいけることが多いケース
病状が安定し、急な処置や点滴が不要
服薬が自立している、または見守り体制がある
多職種の定期関与(訪問看護・デイ・ケアマネ等)が機能している
生活目標(睡眠・食事・活動量)が維持できている
月2回が安心なケース
症状の変動が大きい/処置・点滴が断続的に必要
認知機能低下で誤薬や脱水リスクが高い
体重減少・嚥下低下・褥瘡など見守り強化が必要
独居かつ支援ネットワークが弱い/季節や天候の影響を受けやすい
結論:頻度は“固定”ではありません。月1→月2、月2→月1と、暮らしに合わせていつでも見直します。
月1回にするなら——安心のための“ひと工夫”
電話フォロー:体調・食事・水分・排泄・睡眠の簡単な確認
服薬サポート:一包化/ピルケース/服薬リマインドのご提案
多職種連携:訪問看護・デイサービスからの気づきを迅速共有
レッドフラッグ共有:
発熱・呼吸苦・急な倦怠感
食欲不振・水分摂取低下・ふらつき
転倒・傷・むくみ・尿量や性状の変化
急な混乱・夜間せん妄・強い不眠
こうしたサインがあれば、頻度を一時的に増やす/臨時往診でカバーします。
他院さまの方針も尊重しつつ、地域で支え合う
「月2回でないと継続が難しい」という運営ポリシーのクリニックもあります。それぞれの事情とスタイルがあるのは当然です。逢縁クリニックは、月1回でも月2回でもOK。必要に応じて同じ地域のクリニックさまのご支援や、患者さん・ご家族にとってベストな選択ができるように調整します。
よくあるご質問
Q. 途中で頻度を変えられますか?A. もちろんです。病状や季節、生活状況に合わせて柔軟に見直します。
Q. 薬はまとめて出せますか?A. 病状や安全性を踏まえた医師の判断の範囲で調整します。一包化などの誤薬対策もご相談ください。
Q. 対応エリアは?A. 札幌市内全域、白老町、苫小牧エリアで対応しています(詳細はお問い合わせください)。
まとめ
診察頻度は、病気のために“暮らし”を合わせるのではなく、暮らしに医療を合わせるための設計です。月1回でも月2回でも、“いまのあなたにちょうどいい”形を一緒に考えましょう。
📞 お問い合わせ逢縁クリニック
📍札幌本院:札幌市北区北33条西2丁目1-15 KANTINE
📍白老町:白老町東町4丁目6-7 白老町総合保健福祉センター(いきいき4・6)内






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