【もう少しだけ“提案力”が欲しいときがある】
- 恭祐 昼八
- 11 分前
- 読了時間: 2分

訪問診療をしていると、施設からの連絡を日々受け取ります。
「食事が進まないんですが…」
「嘔吐があって…」
「下痢が出てます…どうしましょう?」
もちろん、報告をいただけること自体はありがたいことです。でも、その先に**“もう一歩の提案”**が出てこない場面に出くわすことも少なくありません。
❓ ただ報告ではなく「こうしてみました」の提案が欲しい
現場で起こっていることを医師に報告するのは当然の役割。けれども、報告だけで終わるのではなく、
「水分は少しずつ摂取できています」
「今はアクエリアスを勧めてみています」
「一度トイレに誘導したら排便がありました」
…という経過の整理や簡単な試行が入るだけで、医師側は次の判断が一気にしやすくなります。
🩺 医師は現場にすぐには行けません
訪問診療では、
その場で診てすぐ処置する外来と違い
ある程度の現場判断が不可欠になります。
「水様便が出ています」と聞いても、嘔吐があったのか?体重は?水分は?情報が不足していれば、結局すべて出動依頼になってしまいます。
🚧 医療・介護・看護の“連携の隙間”が課題になる
今回のケースでもそうでした。
介護スタッフ → 看護師 → 訪問看護師 → 医師と情報が流れる中で、どこかで状況整理が不十分になると、「食べさせていいの?」「点滴必要?」と最終判断だけが丸投げになりがちです。
「現場でどうにかしてくれ」という空気を感じると、少し寂しくなります。
🌱 “医療ニーズに応えられる施設”とは
医師に相談すべき時はもちろん相談する
でも、まず現場でできる範囲の整理と提案がある
連携の中で**「この人は今こういう状況にいます」**とまとめられる
それだけで、現場はずいぶん助かります。
訪問診療は「先生に全部丸投げする仕組み」ではありません。一緒に考えてくれる施設があると、医療はもっと柔軟に、安全に提供できます。
🌸 最後に
私たちは、医療者だけで完結する医療をやりたいわけではありません。施設・介護・看護との連携が、訪問診療を本当に“支える医療”にします。
だからこそ、
「報告だけじゃなく、ちょっとした提案ももらえたら嬉しいです」そう感じる場面があるのです。
📞 逢縁クリニック訪問診療の現場で、今日もチームで考え続けています。
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