【レスパイト入院?ショートステイ?】介護者を支える“正しい選択”とは
- 恭祐 昼八
- 4 日前
- 読了時間: 3分

「介護で疲れたので、少し入院させてほしい」
「自宅では見られないから、レスパイトで何日か預かってもらえませんか?」
そんなご相談を受けることがあります。もちろん、介護者の負担を軽減することはとても大切なことです。
ですが、逢縁クリニックではまず“ショートステイ”の利用を優先的に検討するようにしています。
🛏 「レスパイト入院」が多く依頼される現状
医療の現場では、「介護疲れ」「突発的な家族の事情」などを理由に、レスパイト入院の依頼が多く寄せられます。
しかし不思議なことに、同じ理由でショートステイ(短期入所生活介護)の依頼が来ることはほとんどありません。
💬 なぜショートステイじゃなく、入院なの?
ご家族やケアマネさんがそう考える背景には、こんな理由があるようです。
「入院の方が安心」
「医師がそばにいるから安全」
「医療保険の限度額(8,000円程度)で済むから、ショートステイより安い」
確かに、その気持ちはわかります。ですが、**本来レスパイト入院は“医療が必要な方の一時的な保護”**を目的に設けられた制度です。
📌 逢縁クリニックが「まずショートステイを」と考える理由
私たちは日頃から、介護保険を使って生活を支えている患者さんに対して、「介護が大変になったからといって、いきなり医療保険に頼るのはおかしくないか?」という問題意識を持っています。
普段、排泄・入浴・食事介助は介護保険のヘルパーやデイサービスで支えられています。
その延長線にある“介護者の休息”も、まずは介護保険で対応するべきと考えています。
🚨 入院ベッドの圧迫がもたらす本当の問題
ベッドに空きがあれば病院側も「今回は受けましょう」と言ってくれることがあります。でも、それが続くとどうなるか。
→ 本当に医療が必要な人に、ベッドが回らなくなります。
たとえば、終末期で苦痛が強くなった方、脱水で点滴が必要な方、褥瘡処置や呼吸器管理が必要な方…そうした「医療的理由による入院」が後回しにされるのです。
🧠 とはいえ、ショートステイも万能ではない
もちろん、ショートステイにも課題はあります。実際に、帰宅された患者さんが明らかに痩せて帰ってきたというケースもありました。
食事が合わなかった
水分摂取がうまくいっていなかった
ケアが細やかでなかった可能性
これらのリスクはあると承知しています。それでも、制度上まず活用すべきは介護保険(ショートステイ)であり、医療保険は次の手段と考えています。
🔍 まとめ:選択の優先順位
状況 | 推奨される支援手段 |
介護者の一時的な休息が必要 | ✅ ショートステイ(介護保険) |
医療的処置や管理が明確に必要 | ✅ レスパイト入院(医療保険) |
🌱 正しい選択が、地域の医療資源を守ります
入院が悪いわけではありません。ショートステイが完璧なわけでもありません。でも、制度の“意味”を理解して使い分けることが、長い目で見たときに地域全体の支えになります。
逢縁クリニックでは、「なぜそれを選ぶのか」を一緒に考えるパートナーでありたいと思っています。
📞 ご相談・お問い合わせ
逢縁クリニック(おうえんクリニック)
TEL:070-9003-3302
“なんとなく入院”ではなく、“ちゃんと考えてショートステイ”という選択肢もあることを、伝えていきたい。それが逢縁クリニックの考える、地域との付き合い方です。
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