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【熱中症と脱水症の違い、説明できますか?】

在宅でも注意したい、“水分と塩分”のバランスの話

こんにちは。逢縁クリニック院長の橋本集です。

暑い日が続くこの季節、よく耳にするのが「熱中症」や「脱水症」。ですが、この2つの違いを正確に説明できる人は、意外と少ないかもしれません。

今回は、在宅医療の現場でもよく直面するこのテーマについて、少し噛み砕いてお話ししたいと思います。


🔸「脱水症」とは何か?

脱水症とは、体から水分と電解質(ナトリウムなどの塩分)が不足した状態のことです。

◉ 脱水の種類

  1. 高張性脱水(水分がより多く失われる) 例:汗をかきすぎた場合など → 血液が濃くなり、喉が渇き、ふらつき、発熱、けいれんなどの症状が出やすい

  2. 低張性脱水(塩分がより多く失われる) 例:水だけを大量に飲み続けた場合 → 血中ナトリウムが低下し、倦怠感や頭痛、吐き気などが出る

  3. 等張性脱水(水分と塩分が同じバランスで失われる) 例:下痢や嘔吐など → 血液量が減り、血圧低下や腎機能低下などが生じる


🔸「熱中症」とは何か?

熱中症とは、暑さによって体温調節機能が破綻してしまった状態です。重症度によって分類されますが、本質的には以下のような順序で進みます。


◉ 熱中症の段階(厚労省分類より)

重症度

症状例

軽度(I度)

めまい・立ちくらみ・筋肉のこむら返り

中等度(II度)

頭痛・吐き気・倦怠感・集中力の低下

重度(III度)

意識障害・けいれん・高体温(40℃以上)・臓器障害

熱中症では、多くの場合脱水症も同時に起こっているため、実際の現場ではこの2つをセットで考えることが多いです。


🔸 「水だけ飲めばいい」は大間違い

「熱中症予防に水をたくさん飲みましょう!」……はもちろん大事ですが、塩分(ナトリウム)を同時に補うことが非常に重要です。

ナトリウムが不足したまま水分だけを補うと、低ナトリウム血症となり、逆に体調を悪化させてしまうことも。


✅ おすすめの水分補給方法:

  • 経口補水液(OS-1など)を活用

  • スポーツドリンク(ただし糖分に注意)

  • 自宅で作る「塩分入りドリンク(0.1〜0.2%食塩水)」


🔸 在宅医療でよくあるケース

在宅では、

  • 食事量や水分摂取量の低下

  • 利尿薬の使用

  • 発熱や下痢・嘔吐

  • 自覚症状の乏しい高齢者

などが脱水・熱中症のリスクを高めます。

特に認知症のある方や独居の高齢者では、「喉の渇きに気づけない」「補給しない」ことが多く、気づいたときには腎機能が悪化していたというケースもあります。


🔸 見逃さないで!こんな症状に注意

脱水症のサイン

熱中症のサイン

口の渇き・尿量減少・脈拍増加

顔のほてり・頭痛・吐き気・ぼんやりする

倦怠感・皮膚の乾燥

汗が出なくなる・体温が高くなる

皮膚のツルゴール低下(皮膚をつまんで戻らない)

意識のもうろう・けいれん


🔸 まとめ:水と塩を、ちょっと気にして

熱中症=夏のもの脱水症=季節関係なく起こるもの

この意識をもって、「ただの暑さ」や「軽い食欲不振」でも、見過ごさないことが大切です。

特に在宅医療においては、早期の声かけと観察がご家族の役割としてとても重要になります。


📞 お問い合わせ逢縁クリニック

📍札幌本院:札幌市北区北33条西2丁目1-15 KANTINE

📍白老町:白老町東町4丁目6-7 白老町総合保健福祉センター(いきいき4・6)内

📞TEL:070‑9003‑3302


 
 
 

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