【特養・老健は今後どうなる?】現場から見た介護施設のこれから
- 恭祐 昼八

- 7月10日
- 読了時間: 4分
こんにちは、逢縁クリニックの昼八です。今日はちょっと真面目な話を。
最近、特別養護老人ホーム(特養)や老人保健施設(老健)について、「これから先、必要とされる形が大きく変わるんじゃないか?」と感じることが増えてきました。
現場で訪問診療をしていると、介護士さんやご家族、時には施設の経営者の方からもいろんな声を耳にします。今回は、今の施設に足りないもの・これから求められるものを、あくまでマイルドにブログにまとめてみました。

特養と老健、それぞれの役割は?
まず前提として、
特養(特別養護老人ホーム)は「要介護3以上」の高齢者が長期入所できる生活の場。
老健(老人保健施設)は、リハビリ中心で「在宅復帰を目指す」ための中間施設。
つまり特養は「終のすみか」寄り、老健は「一時的な場所」というイメージ。
でも…現場で感じる違和感
ここから少し踏み込んだ話です。
特養の話
「要介護3以上で入所OKです」と言っておきながら、医療的ケアが必要になると入所NGだったり、状態が悪くなると「うちでは看られません」と退所をお願いされることも。
夜は看護師いないし…
吸引とか胃ろうとか、医療処置が必要な人は無理ですってなる
医師も常勤じゃないから診られるのは“元気な要介護3以上の人”だけ?
…いや、それって誰が見られるんですか?
老健の話
老健は医師も看護師もいる。でも「治ったら出てってね」が前提。
リハビリして在宅に戻る…それが理想なんだけど、実際には「家に戻るの無理な人」も多いです。でも老健の制度上、長くいるのはNG。
つまり、人生の最後まで過ごす場所としては設計されていない。
「看取りできない」「医療が弱い」施設は淘汰される?
正直に言います。このままだと、特養も老健も今のままでは厳しいと思っています。
夜に看護師がいない
医療処置ができない
看取りができない
「うちでは無理」って言って終わる
そんな施設、これから選ばれなくなる。
じゃあ、どんな施設が生き残る?
答えはシンプルです。
「やれない理由じゃなく、どうやったらできるかを考える」施設。
最近は「ナーシングホーム」みたいな施設がどんどん増えてます。看護師が24時間いて、看取りもできて、痰吸引や胃ろう管理も対応OK。
「ここで最期までいられるんだ」って思える場所。それがこれから求められる施設のカタチなんじゃないでしょうか。
要は医療介護が本当の意味で統合された施設が求められています、施設といいつつ、慢性期病棟、病院のような
それはつまり慢性期病棟も今後役割変化を求められる時がくるかもしれないということ
現場の介護士さんへ
忙しい中で毎日頑張ってる介護士さんたち。でもその中で、
「これは自分にはできない」
「医療は看護師や医者の仕事でしょ」
って線引きしてしまっていませんか?
もちろん、医療行為はルールがあります。でも今は喀痰吸引等研修みたいな制度もあるし、「医療のことは何もわかりません」では通用しない時代です。
“この人、具合悪そう”と気づいて連携できる力“介護士なりに支えられる手段”を持つこと
それが、これからのプロの介護士だと思っています。
施設の経営者の方へ
このブログ、たぶん読んでくれてる方の中には施設運営してる人もいると思います。はっきり言っておきたいのは、
「おいしいとこどり」はもう通用しません。
医療が重い人はお断り
看取りもギリギリまで対応せず
加算はとるけど、現場には還元しない
そんなスタンスのままだと、施設も、職員も、そして地域からも見放されていきます。
これからは、
看取りできる体制を整える
医師や看護師との連携を強める
「最後まで安心していられる場所」を作る
そんな経営判断ができる人が、勝ち残る施設を作れると思います。
最後に
私たち逢縁クリニックは、訪問診療としていろんな施設に出入りしています。だからこそ、良い施設・苦しんでいる施設の両方を見てきました。
そして今、はっきりと言えるのは、
「もう“施設だから”で逃げられる時代じゃない」
ということです。
利用者さんにとって“最後までここにいたい”と思える場所を作れるかどうか。
それが今後、施設が生き残れるかどうかの分かれ目だと思っています。
私たちは勝ち残る施設と一緒に良い診療や看取りをお届けしたいと常に考えています。
必要であれば勉強会も行います(お金とらないです、呼ばれたいです)
📞 ご相談・お問い合わせ
逢縁クリニック
TEL:070-9003-3302





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