冬こそ“ちょこちょこ給水”を|高齢者の脱水・便秘を防ぐ在宅のコツ【保存版】
- 恭祐 昼八

- 59 分前
- 読了時間: 4分
11月も後半、札幌は一気に冷え込みました。在宅の現場では寒くなると水分摂取を極端に控えるご高齢の方が目立ちます。「冷えるとトイレが近い」「飲めばさらに間隔が短くなる」のが主な理由ですよね。結果として脱水→便秘→排便時の出血という“冬の負のループ”が起こりやすくなります。
特に抗凝固薬・抗血小板薬(いわゆる“血液サラサラ”の薬)を服用中の方では、硬い便で肛門が切れて出血が止まりにくいことも。夏ほどの量は不要でも、**尿の色が濃い(濃い麦茶色)**なら、こまめな給水が必要のサインです。
なぜ冬は脱水・便秘が増える?
冷え→頻尿:膀胱や骨盤周りが冷え、尿意が起きやすい
飲水回避:頻尿を避けようと飲まなくなる
室内乾燥:暖房で水分が体から失われやすい
活動量↓:腸の動きが落ちて便が固くなる
ポイント:「トイレが近い」から飲まないではなく、「飲み方・温め方・時間帯」を見直すのがコツです。
今日からできる“ちょこちょこ給水”の実践10
温かい飲み物を基本に:白湯・薄い番茶・ノンカフェインのハーブティーなど。
“回数”で稼ぐ:1日6~8回、コップ半分~1杯を分けて。
日中に多め、夜は控えめ:朝~夕方にしっかり、就寝2時間前は少なめ。
カフェインは夕方以降控える:夜間頻尿の悪化を防ぐ。
塩分は薄味に:汁物は“具多め・汁少なめ”、出汁や香味で満足度UP。
一口ルール:トイレのたびに一口の白湯。合計でけっこう飲めます。
見える化:保温マグを定位置に。飲んだ回数をカレンダーに「✓」。
薬の時は必ず水:錠剤1錠でも100~200mL目安で食道トラブルを予防。
口腔ケアをセットに:口が潤うと自然と飲みやすく。就寝前の歯磨き+一口。
尿色チェック:淡いレモン色が目標。濃ければ次の30分で一口追加。
※心不全・腎不全で厳密な水分制限がある方は、主治医の指示が最優先です。自己判断の増水はNG。
冷えに負けない“トイレ間隔”の整え方
下腹部の保温:腹巻き・カイロ(低温やけどに注意)で膀胱周りを温めると尿意が落ち着きやすい。
足元を温かく:スリッパ・レッグウォーマーで下肢の冷えを軽減。
脱衣所を暖かく:入浴前に暖房orヒーターで温度差を減らす。
夕方以降の利尿性飲料を控える:緑茶・コーヒー・アルコールは就寝前は避ける。
利尿薬の時間は要相談:自己判断で変更せず、時間帯の調整は主治医と。
便秘・出血を防ぐ“3点セット”
水分:上の“ちょこちょこ給水”を日課に。
食物繊維+油分:根菜・海藻・きのこ、オリーブオイル小さじ1を料理に。
排便リズム:朝食後10分の“トイレタイム”を固定。**いきみ過ぎない姿勢(前かがみ)**を意識。 ※便が硬い・痛いが続く場合は、便軟化薬や整腸剤の調整を医師・看護師に相談を。
こんな時は早めに連絡を(冷蔵庫に貼る版)
尿が濃い・量が少ない状態が2日以上続く
めまい・ふらつき・立ちくらみが増えた
3日以上の便秘、または排便時に出血(抗凝固薬/抗血小板薬内服中は特に)
口が乾きすぎる・皮膚がかさつく・微熱が続く
迷ったら写真(尿色・便の硬さ)と一言メモを送ってください。判断が早くなります。
ご家族・介護者向けワンポイント
“飲んだ・飲んでない”の言い合いを防ぐため、チェック表を冷蔵庫に。
訪問看護の時に環境を見直す:マグの位置、温かい飲み物の動線、夜間の保温具。
「トイレが近いから飲まない」には、腹巻き+日中多めの二段構えで。
逢縁クリニックのサポート
冬の在宅“給水・排泄プラン”を医師×訪問看護×薬剤師で一緒に設計。
便秘が続く・出血が不安な方は、**薬の見直し(相互作用・副作用)**までチェックします。
一回だけの相談でもOK。まずは現在のお薬・飲水量・尿色を教えてください。
📞 お問い合わせ逢縁クリニック
📍札幌本院:札幌市北区北33条西2丁目1-15 KANTINE
📍白老町:白老町東町4丁目6-7 白老町総合保健福祉センター(いきいき4・6)内
本記事は一般的な情報です。持病(心不全・腎不全・前立腺肥大 等)や内服によって最適な飲水量は異なります。自己判断での大幅な増減は避け、個別にご相談ください。






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