勉強会レポート|ベルソムラで“中途覚醒”をどう攻める?【不眠症】
- 恭祐 昼八

- 9月12日
- 読了時間: 3分
逢縁クリニック主催でデイサービス錬を使用してベルソムラの勉強会を行いました!
— 訪問看護ステーションかなうのメンバーも参加!
写真①:ベルソムラ(スボレキサント)についてのスライドを前に、講師の方が解説中。

写真②:会場はリラックスした雰囲気で、訪問看護ステーションかなうのメンバーを含む多職種が参加してくれました。ありがとうございます!

今日のテーマ:不眠症の3タイプを整理
入眠困難:寝つくまでに30分以上かかる
中途覚醒:夜間に何度も目が覚める
早朝覚醒:予定より30分以上早く目が覚めてしまう
今回は特に「中途覚醒」を中心に、オレキシン受容体拮抗薬ベルソムラの位置づけを検討しました。
ベルソムラのポイント(抑えておきたい3つ)
機序:覚醒を促すオレキシンをブロックし、“眠れる土台”を整える薬理(ベンゾ/Z薬と作用点が異なる)。
臨床像:初回投与の夜から中途覚醒(WASO)を短縮し、再入眠の安定に寄与する報告。寝つきより「途中で目が覚める」タイプに相性◎。
高齢者の注意:**65歳以上は傾眠(眠気)**が出やすい。転倒・夜間トイレの動線、起立性低血圧などのリスク対策を併せて。
よくある不安に答える:依存性Q&A
Q1. 依存しませんか?
A. 依存性は「身体的依存」と「心理的依存」に分けて説明します。ベルソムラはGABA系ではないため身体的依存や反跳不眠は起こりにくいとされています。一方で「飲まないと不安」という心理的依存はどの睡眠薬でも起こり得るため、目標設定と睡眠衛生・CBT-Iの併用が大切です。
Q2. やめる時はどうする?
A. 原則は少量→隔日→頓用→中止の順で負担を下げます。Z薬・ベンゾからスイッチ中の方は、先にそちらを漸減してからDORA単剤に整えると安全。
Q3. どんな人で注意?
A. 物質使用歴、不安の強い方、高齢者(日中傾眠→転倒)では少量開始と日中の眠気チェックを徹底。CYP3A阻害薬など相互作用がある場合は用量調整を。
Q4. いつまで続ける?
A. まず2–4週間で効果と副作用を評価。改善が安定したら、休薬トライアル(睡眠日誌やISIで判定)を提案し、薬に依存しない睡眠へ舵を切ります。
当日のディスカッションで出た“現場のコツ”
“初回から効いた”ときほど心理的依存になりやすいので、**「薬+生活リズム」**を必ずセットで話す。
夜間トイレが多い高齢者では、**転倒リスク対策(足元灯、手すり、段差確認)**を同時にプランに入れる。
追い飲みはNG。就寝直前・起床まで7時間以上を確保、脂っこい食事直後は吸収が遅れる点も説明する。
プラセボ群にもかなり効果があるという結果が面白い
こんな方はご相談ください
夜中に目が覚めて再入眠できない
早朝に起きてしまい日中のパフォーマンスが落ちている
これまでの睡眠薬で日中のだるさや記憶・ふらつきが気になる
薬に頼りすぎたくないけれど、まずはつらさを減らしたい
✍️ 注意:薬剤の使用は医師の診察に基づく個別調整が不可欠です。自己判断での増量・併用は避けてください。






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