top of page

多職種連携のICTツール、結局なにが正解なの?(当院のリアル)

在宅医療・訪問看護って、医師や看護師だけで完結しません。ケアマネさん、薬局さん、訪問看護、リハ、施設職員さん、包括支援センターさん…関わる人が増えるほど、**「連携の質=患者さんの安心」**に直結していきます。

その連携を支えるものとして、最近は「多職種連携のためのICTツール」がいろいろ出ていますよね。今日は、当院が実際に使っているツールと、使ってみての正直な所感を書きます。


当院で使っているICTツール

現在当院では、主にこの3つを使用しています。

  • LINE WORKS

  • MCS

  • Chatwork

結論から言うと、一番使いやすいと感じているのはLINE WORKSです。


いちばん使いやすいのは「LINE WORKS」

LINE WORKSは、操作感がいわゆるLINEに近いので、導入のハードルが低いのがありがたいです。

  • 既読・未読が分かる

  • グループ運用がしやすい

  • 連絡の速度が上がる

  • “仕事用”として線引きしやすい

「誰が見ているか」「誰が返すか」みたいな混乱が少なく、業務の会話として成立しやすい感覚があります。


実は“気軽な相談”はChatworkがかなり強い

一方で、個人間の気軽な相談については、Chatworkもかなり愛用しています。

例えば、

  • 訪問診療の新規相談をフランクに投げる

  • 訪看の導入相談をサクッと確認する

  • 「このケース、こうした方が良い?」みたいな軽い壁打ち

こういう、“堅くならない相談”はChatworkのテンポが合うことが多いです。(※ここは完全に文化・相性もあると思います)


ただ…ツールを入れたから劇的に効率化するわけでもない

ここが今日いちばん言いたいところなんですが、多職種連携のために生まれたツールを入れたからといって、何かが劇的に効率化するかというと…正直そうでもない、というのが今の実感です。

理由はシンプルで、

  • そもそも連携は「人の動き」と「関係性」に依存する

  • ルールがないと、情報が流れていくだけになる

  • 通知が多すぎると、誰も見なくなる

  • “どこまで書いていいか”が曖昧だと、結局電話に戻る

ICTはあくまで器で、運用(どう使うか)の設計がないと、便利そうで便利じゃない状態になりがちなんですよね。


他の医療機関がどう活用しているのか、正直よく分からない

これもリアルな悩みです。

「他院ではどう運用してるんだろう?」「成功してるところって、何が違うんだろう?」

導入事例は見かけても、現場の“泥臭い運用”って外からは見えにくい。結局、各施設がそれぞれ試行錯誤している印象があります。


妄想:病院同士で“掲示板”みたいに使えたら面白い?

ふと思うのは、病床を抱えるような病院同士で人が集まって、「掲示板」みたいな使い方ができたら面白いんじゃないか、ということ。

  • 退院調整の相談

  • 地域の困りごとの共有

  • 受け入れ可否の情報

  • ちょっとした注意喚起(感染症流行など)

ただ、これも「やってみよう!」で見切り発進してうまくいく気がしないのも事実で、参加者、ルール、責任分界、個人情報、反応速度…考えることは山ほどあります。

いま一番やってみたいのは「包括支援センターさんとLINE WORKSで部屋を作る」こと

個人的に、一番現実的で、かつ価値が大きいと思っているのがこれです。

包括支援センターさんとLINE WORKSで部屋を作成して、“こんな困りごとがある”を、かしこまらずにフランクに相談できる場を作れないか。

まぁ患者の誘導に該当したりするのでこの案だけだと難しいのもわかる

電話や書類って、どうしても構えるし、タイミングも合わない。でも、本当に大事なのって「深刻になる前の相談」だったりします。

  • これ、医療介入必要?

  • 受診が必要?在宅で見れる?

  • 家族が疲れてるサインがある

  • 介護側の困りごとが先に出てる

こういう“早期の違和感”が拾えると、結果的に医療も介護も楽になることが多いので、フランクに相談できる場って、かなり価値がある気がしています。

まとめ:ICTは魔法じゃない。でも、運用次第で未来は変わる

ICTツールは、入れた瞬間に全てが解決するような魔法ではありません。でも逆に言えば、運用の設計次第で「連携の質」を押し上げる余地は大きい

当院としては、

  • LINE WORKSを軸にした連携の土台作り

  • Chatworkの“気軽な相談”文化の維持

  • 「包括支援センターさんとの部屋」など、小さな実験から始める

このあたりを、今年のテーマとして少しずつ形にしていきたいと思っています。

もし、「うちはこう使ってるよ」「これがうまくいった/失敗した」みたいな話があれば、ぜひ教えてください。現場の知恵がいちばん参考になります。

📞 お問い合わせ逢縁クリニック

📍札幌本院:札幌市北区北33条西2丁目1-15 KANTINE

📍白老町:白老町東町4丁目6-7 白老町総合保健福祉センター(いきいき4・6)内

 
 
 

最新記事

すべて表示
救急車を呼ぶべき?夜間の発熱・呼吸苦の判断目安(家族向け)

訪問診療が入っていると「救急車じゃなくて往診」で一安心できることも 夜中の発熱や呼吸苦は、家族がいちばん迷う瞬間です。 「救急車を呼ぶべき?でも大げさ?」 「朝まで様子見?」——この判断がつらい。 ここで知っておいてほしいのは、 訪問診療(在宅医療)が入っているご家庭は、“救急車一択”じゃないケースがある ということ。 電話相談 → 必要なら往診 というルートで、不安を早く落ち着かせられる場面があ

 
 
 
「かかりつけ医がいる」場合の訪問診療:併診・紹介の考え方(家族・ケアマネ向け)

「昔から通っている先生がいるけど、通院が難しくなってきた」 「かかりつけ医を変えたくない。訪問診療は頼める?」 「併診ってできるの?」 この相談はとても多いです。結論から言うと、 “かかりつけ医がいる=訪問診療はできない”ではありません。 ただし、在宅では 役割分担  と 紹介(情報共有)  の設計が重要になります。 まず前提:在宅は「主治医」を誰にするかがポイント 訪問診療は、単発の往診ではなく

 
 
 
ケアマネに相談すべき?医療機関に直接相談すべき?ケース別ガイド(迷った時の早見表)

在宅の相談って、最初の一歩が一番むずかしいです。 「ケアマネに言うべき?」 「病院(クリニック)に直接電話していい?」 「包括支援センターって何をしてくれるの?」 結論はシンプルで、 “困りごとの種類”で相談先を変える のが正解です。この記事では、よくあるケース別に、どこへ相談すると早いかをまとめます。 まず早見表:相談先の基本ルール 病状・薬・急変・検査など“医療”が中心  → 医療機関(かかり

 
 
 

コメント


逢縁クリニック

診療時間 月〜金 9:00~17:00

北海道札幌市北区北33条西2丁目1-15 KANTINE 2-3F

bottom of page