往診と訪問診療、何が違う?『1回だけお願い』の落とし穴
- 恭祐 昼八

- 1月26日
- 読了時間: 3分
「1回だけ家に来て診てほしいんですが、できますか?」このご相談、当院でも本当によくいただきます。
結論から言うと、“1回だけ来てほしい”=往診の領域です。ただし、ここにひとつ“落とし穴”があります。
それは——「1回だけお願い」は、何でも気軽に成立する依頼ではないということです。
今日は、往診と訪問診療の違いを整理しながら、「1回だけ」の考え方を分かりやすく解説します。
まず基本:往診と訪問診療は別物です
訪問診療(定期)
計画的・定期的に医師が訪問(例:月2回など)
継続的に診ること(管理)が前提
慢性疾患の管理、服薬調整、在宅での療養支援、看取りなど
ざっくり言うと、主治医として家で診続けるのが訪問診療です。
往診(臨時)
急な体調変化などに対して、臨時で医師が訪問
単発で終わることもあれば、そのまま訪問診療に移行することもあります
ざっくり言うと、困った時に駆けつけるのが往診です。
『1回だけお願い』の落とし穴=「往診=便利な出張サービス」ではない
「1回だけ来てくれたら助かる」気持ちはめちゃくちゃ分かります。
でも、往診は“出張サービス”ではなく医療です。なので、依頼が成立するかどうかは 緊急性・安全性・代替手段などを含めて判断します。
「1回だけ」が“可能になりやすい”ケース
例えば、こんな状況です。
発熱や脱水、呼吸苦などで 外来受診が難しい
認知症などで受診が成立しない(連れて行けない)
看取り期で、状態評価や症状緩和が必要
まず医師が状態を確認して 外来/在宅/入院の方針を判断する必要がある
この場合は、往診として対応できる可能性があります。
「1回だけ」が“難しくなりやすい”ケース
一方で、こういうご相談は難しいことがあります。
「薬だけほしい」「湿布だけ」「とりあえず抗生剤」など→ 緊急性が低い単発処方目的
すでに他の訪問診療クリニックが主治医として入っているのに→ “一部だけ1回”の依頼
当日の予定や距離の都合で→ 物理的に対応が難しい
ここは誤解されやすいですが、往診は“できる/できない”がゼロイチではなく、状況次第です。
もう一つの落とし穴:家ではできない検査もあります
在宅では、どうしても限界があります。
CT / MRI
内視鏡
その場での高度画像検査 など
往診でできることは多いですが、必要な検査や治療が病院レベルで必要な場合は、往診より救急搬送・病院受診が優先になります。
相談するとき、これだけ分かると判断が早いです
「往診が適切かどうか」をすばやく判断するために、次の情報があると助かります。
症状:いつから/どれくらい/何が一番つらいか
バイタル:体温、SpO₂、血圧、脈(分かれば)
既往歴・内服:お薬手帳があればベスト
住所:訪問可能エリアかどうか
同居状況:独居か、キーパーソンは誰か
危険なサイン:意識がおかしい、強い呼吸苦、胸痛、片麻痺など
※危険なサインがある場合は、まず119番が最優先になることがあります。
まとめ:1回だけ=往診。でも「状況を見て判断」が正解です
訪問診療=定期的に家で診続ける(継続管理)
往診=急変などへの臨時対応(単発もあり得る)
「1回だけ来て」は往診として可能な場合もあるが、緊急性・安全性で判断する
「これは往診?外来?救急?」迷った時点で、一度ご相談ください。状況を聞いた上で、現実的な選択肢を一緒に整理します。
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