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老衰の「点滴問題」——最期の時間をどう過ごす?在宅医がやさしく整理

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3行まとめ

  • 老衰で食べられない・飲めないは、からだの自然な変化として起こります。

  • 点滴にはメリットも限界もあります。目的と期間を決めて使うのがコツ。

  • 口渇は口腔ケアと湿らせるケアが最も効きます。迷ったら“試してみて見直す”でOK。

「老衰で食べない/飲まない」とは

体力・臓器の働きがゆっくり低下し、空腹や喉の渇きを感じにくくなります。無理に摂ると、むせ・誤嚥・腹部不快が強くなることも少なくありません。

目標は「栄養を入れること」ではなく、苦痛を減らし穏やかに過ごすことに移っていきます。

点滴のメリットと限界

メリット(合う場面)

  • 発熱・下痢・一時的な脱水でからだがしんどいとき

  • 内服できない時期の疼痛・不穏・吐き気の薬投与

  • 短期間の回復見込みがあるとき(感染後の回復期など)

限界・副作用(合わない場面)

  • むくみ・呼吸苦・痰増加・尿の負担

  • 心不全や腎機能低下で苦しくなることも

  • 穿刺の痛み・針の違和感、管が動きを制限

  • 誤嚥を減らす効果は基本的にない

「喉が渇いてかわいそう」には、点滴より口腔ケアの方が楽になることが多いです。

口渇には“湿らせるケア”

  • 口腔ケア:スポンジブラシ・ガーゼで口の中を清潔に

  • 保湿:口腔保湿ジェル、唇のワセリン

  • 氷片や少量ゼリーで“口を潤す”

  • 体位:半座位で呼吸が楽に

  • 室内環境:加湿・清潔なリネン・静かな音環境

どう決める?5つのステップ(家族と医療者の共通手順)

  1. 目的を決める:「喉の不快を和らげたい」「吐き気止めを入れたい」など具体的に。

  2. 方法を選ぶ:点滴(静脈)だけでなく、在宅に合う**皮下輸液(皮下注・少量持続)**も選択肢。

  3. 量と期間を決める:例)500〜1000mL/日・48〜72時間など。

  4. 中止基準を決める:むくみ・痰ふえる・苦しそう→いったん止める

  5. 見直す:家族の実感・本人の表情をいちばん大事に、やってみて調整

逢縁クリニックは、症状の“山”を同日〜翌日で下げる運用を基本とし、点滴以外の選択肢も一緒に整えます。

よくある質問

Q. 点滴をしないと苦しみませんか?

A. 多くの方は苦しみが増えるわけではありません。口腔ケアや姿勢調整で、むしろ穏やかになることがよくあります。

Q. 食べられないのに薬はどうする?

A. 可能な限り貼付剤・坐薬・皮下注に切替えます。不要薬は減薬します。

Q. 家族の気持ちが揺れます。途中で方針を変えてもいい?

A. いつでも変更OK。その時のご本人の楽さをいちばんに、試して見直す進め方で大丈夫です。

Q. 在宅で看取りたい。何を準備すれば?

A. 連絡手順(誰に・何分で)/疼痛・不穏へのレスキュー薬/口腔・皮膚ケアの物品。葬儀の事前相談もつなげます。

家族ができる“やさしい介護”

  • 手と顔の清拭・保湿、好きな香りを少し

  • 声かけ・触れるケア(手を握る、背中をさする)

  • 音・光・温度を静かで心地よく

  • できる範囲で好きだった味を一口(嚥下が安全な形で)

まずはご相談ください

「点滴をした方がいいのか」「苦しくない方法を選びたい」——質問からでOK。ご自宅で評価→選択肢の整理→“やってみて見直す”設計まで、医師・訪問看護と伴走します。


📞 お問い合わせ逢縁クリニック

📍札幌本院:札幌市北区北33条西2丁目1-15 KANTINE

📍白老町:白老町東町4丁目6-7 白老町総合保健福祉センター(いきいき4・6)内

本記事は一般的な解説です。個別の医療判断は診察のうえでご提案します。

 
 
 

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逢縁クリニック

診療時間 月〜金 9:00~17:00

北海道札幌市北区北33条西2丁目1-15 KANTINE 2-3F

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