top of page

血糖値が高いと何が起きる?——在宅医がやさしく解説

まずは3行まとめ

  • 血糖が高い状態(高血糖)が続くと、体の水分が奪われてだるい/喉が渇く/尿が増えるなどの不調が出ます。

  • 数か月〜数年と放置すると、眼・腎臓・神経・血管にダメージが蓄積し、視力低下・腎不全・しびれ・心筋梗塞/脳梗塞のリスクが上がります。

  • 高血糖は原因を整えれば必ず下げられます。 当院は在宅で検査・処方調整・生活サポートまで一気通貫で対応します。


「高血糖」ってどんな状態?

食事で入った糖(ブドウ糖)が細胞に取り込まれず、血液中に余っている状態です。目標値は年齢・体調で変わりますが、目安として

  • 空腹時:おおむね80–130 mg/dL

  • 食後2時間:180 mg/dL未満が一般的な目標の一例です(※個別に決めます)


すぐ起きやすいこと(数時間〜数日)

  • 口渇・多尿・夜間頻尿(体が糖を尿に流して水分も一緒に捨てるため)

  • だるさ・眠気・頭が回らない(脳のエネルギー利用が不安定に)

  • 脱水→便秘・足がつる・血圧変動

  • 傷が治りにくい/感染が増える(尿路感染・カンジダ・皮膚トラブル など)

危険な急性状態(赤信号)

  • 高浸透圧高血糖症候群(HHS):強い脱水・意識もうろう・けいれん など

  • ケトアシドーシス(DKA):吐き気・腹痛・呼吸が荒い・甘いにおいの息 など→ いずれも救急受診が必要です。

放っておくと起こること(数か月〜数年)

細い血管(細小血管)の合併症

  • 網膜症:視力低下・失明の原因に

  • 腎症:尿たんぱく→腎機能低下→透析リスク

  • 神経障害:しびれ・痛み・感覚低下、自律神経障害(立ちくらみ・便秘/下痢・発汗異常)

太い血管(動脈硬化)の合併症

  • 心筋梗塞・狭心症/脳梗塞/下肢動脈閉塞

  • 足潰瘍・壊疽(傷に気づきにくく治りにくい)

生活の質(QOL)への影響

  • 不眠・集中力低下・気分の落ち込み

  • 歯周病・嚥下や栄養の乱れ→サルコペニア・フレイル

高血糖の“よくある原因”

  • 食事量・タイミングの偏り(夜に集中、甘い飲料 など)

  • 運動不足・寝不足・ストレス

  • 発熱・感染症(体が糖を作り出す)

  • 薬の影響(ステロイド、利尿薬の一部 ほか)

  • のみ忘れ/インスリン量のミスマッチ

今日からできるセルフケア(在宅版)

  1. 水分をこまめに(糖分のない水・お茶を目安に)

  2. 主食・主菜・副菜を3食で分散(夜にドカ食いしない)

  3. 歩く回数を増やす(1回10分×2–3回でも効果)

  4. 体調メモ(食事・薬・血糖・体調変化を簡単に記録)

  5. 足の観察(毎日チェック:傷・水虫・靴ずれ)

こんな時は早めにご連絡ください(受診の目安)

  • 血糖が250–300 mg/dL以上の状態が1〜2日続く

  • 発熱・咳・下痢・尿の痛みなど感染症状を伴う

  • 強い口渇・多尿・吐き気・急な体重減少・意識がぼんやり

  • 傷が赤い/膿が出る、足の痛み・しびれが悪化

当院でできること(在宅で完結)

  • 在宅採血:HbA1c・腎機能・脂質・炎症反応、尿アルブミン

  • 尿検査・フットチェック・血圧/体重評価

  • お薬の見直し(のみ時間の調整、内服→インスリン/GLP-1の追加・切替 など個別に)

  • 連携体制:訪問看護・薬局と同日〜翌日の初動、栄養・口腔・フットケアの支援

  • 外来/病院連携:眼科・腎臓内科・循環器科・フットケア外科へ迅速紹介

目標値や治療方針は年齢・合併症・低血糖リスクで変わります。無理のない“あなた仕様”をご一緒に作ります。

まずはご相談を

「最近、喉が渇く・トイレが近い」「数値が安定しない」——質問からでOKです。最短で“今日の山”を下げる方法をご提案します。

📞 070-9003-3302

✉️ o-en@o-enclinic.com対応エリア:札幌市内全域/白老町/苫小牧

📞 お問い合わせ逢縁クリニック

📍札幌本院:札幌市北区北33条西2丁目1-15 KANTINE

📍白老町:白老町東町4丁目6-7 白老町総合保健福祉センター(いきいき4・6)内

本記事は一般的な解説です。診断・治療は診察のうえ個別に判断します。

 
 
 

最新記事

すべて表示
【50代から急増】その痛み、帯状疱疹かも?

— 2025年「定期接種化」と2つの選択肢|当院は 訪問診療のついでに接種OK 帯状疱疹は「80歳までに約3人に1人」。 予防の主役はワクチン です。2025年4月から定期接種(B類)が始まり、自治体の助成対象も拡がりました。まずはポイントだけサッと把握しましょう。 1) 今年度からの新ルール(超要約) 定期接種の対象 : ① 65歳になる方 ② 60–64歳で重度のHIVによる免疫機能障害がある

 
 
 
冬こそ“ちょこちょこ給水”を|高齢者の脱水・便秘を防ぐ在宅のコツ【保存版】

11月も後半、札幌は一気に冷え込みました。在宅の現場では 寒くなると水分摂取を極端に控える ご高齢の方が目立ちます。「冷えるとトイレが近い」「飲めばさらに間隔が短くなる」のが主な理由ですよね。結果として 脱水→便秘→排便時の出血 という“冬の負のループ”が起こりやすくなります。 特に 抗凝固薬・抗血小板薬 (いわゆる“血液サラサラ”の薬)を服用中の方では、 硬い便で肛門が切れて出血が止まりにくい

 
 
 

コメント


逢縁クリニック

診療時間 月〜金 9:00~17:00

北海道札幌市北区北33条西2丁目1-15 KANTINE 2-3F

bottom of page