訪問診療で出会った、静かな最期と騒がしい現実
- 恭祐 昼八

- 8月22日
- 読了時間: 2分
先日、定期訪問で患者さんのお宅を訪れたときのこと。チャイムを鳴らしても応答がありません。電話を鳴らしても出ない。ふと新聞受けを見ると、何日分もの新聞が溜まっていました。
こういう時、在宅医療では決まった対応の流れがあります。
管理人やご近所に状況を確認する
鍵屋さんに来てもらう(立ち会い必須)
警察官の立ち会いのもと開錠する
今回の患者さんは90歳を超える高齢の方でした。室内で静かに息を引き取っておられました。
本来であれば、私たちがその場で看取り、
静かにお別れをしていただきたかった。
しかし、警察を呼んだ以上、事件性がないかの確認は避けられません。
救急車、消防車、警察、そして刑事。
いつもの穏やかな居室は一転、慌ただしい空気に包まれました。
「最期くらいは静かに」医療者としても強く願うことですが、現実には、私たちだけで事件性を完全に否定することはできません。だからこそ、どうしても警察に依頼せざるを得ないのです。
こうしたケースは決して珍しくありません。おひとり暮らしの方や、高齢世帯では特に起こりやすい出来事です。訪問診療の現場では、「元気に暮らす日常」と「ある日突然訪れる別れ」が、ほんの紙一重で隣り合わせにあります。
この経験を通して、「どうすれば最期をもっと穏やかに迎えられるのか」私たち医療者はこれからも考え続けたいと思います。
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