訪問診療とは?対象になる人・ならない人を具体例で解説(在宅医療の始め方も)
- 恭祐 昼八

- 3 日前
- 読了時間: 5分
「訪問診療って、どんな人が受けられるの?」
「寝たきりじゃないと対象にならない?」
「介護タクシーを使えば通院できるけど…それでも訪問診療の対象?」
こうした疑問はとても多いです。この記事では 訪問診療とは何か を整理したうえで、対象になる人・ならない人 を具体例でわかりやすく解説します。
訪問診療とは(在宅医療との違い)
訪問診療は、医師が計画的にご自宅や施設へ伺い、定期的(例:月2回など)に診療を継続する仕組みです。一方で、よく似た言葉に 往診 があります。
訪問診療:計画的・定期的に訪問して診療を継続
往診:急な発熱や症状悪化などに対して臨時で訪問(単発になりやすい)
「在宅医療」は、訪問診療・往診・訪問看護・訪問リハなどを含む広い概念で、訪問診療はその中核のひとつです。
訪問診療の対象になる人の基本条件
訪問診療の対象は、ざっくり言うとこの2点です。
継続的な診療が必要(慢性疾患の管理、褥瘡管理、認知症、がん治療・緩和ケアなど)
一人での通院が困難(身体的・認知機能・精神面・環境要因など)
ポイントは「病名」よりも、通院がどれくらい大変かです。「通院できている」=「通院が容易」とは限りません。
訪問診療の対象になる人【具体例】
ここからは、現場で多い「対象になりやすい」パターンを具体例で紹介します。
身体的に通院が難しい
車椅子生活で、乗降や移動に介助が必要
歩行器・杖でも転倒リスクが高い
心不全・COPDなどで外出が呼吸苦の引き金になる
脳梗塞後遺症で片麻痺があり、移動が困難
パーキンソン病で動作が遅く、受診の負担が大きい
認知症・精神面で「受診が成立しない」
認知症で予定を忘れる/当日外出してしまう
診察室で落ち着けず、医療者の説明が入らない
不安が強く外来環境がつらい
服薬管理が難しく、継続的な支援が必要
介護タクシーが必要な人(ここは重要)
介護タクシーを使わないと受診できない
受診のたびに家族が仕事を休んで付き添う必要がある
受診だけで半日〜1日潰れ、本人も家族も疲弊している
「タクシーで通えるなら対象外」と思われがちですが、実際には “通院困難”のど真ん中 になり得ます。通院の負担が大きい方は、訪問診療の適応を検討しやすいです。
医療依存度が高い(在宅での管理が必要)
酸素療法が必要
胃ろう・経管栄養がある
尿カテーテル管理、褥瘡処置が必要
がん治療後の緩和ケア、看取りの相談がある
頻回の採血や画像評価が必要で、外来受診が現実的ではない
訪問診療の対象になりにくい人【具体例】
次に、「対象外になりやすい/訪問診療ではなく別の選択が適切」なケースです。※最終判断は個別の状況で変わります。
原則として通院が容易な人
独歩で、一人で通院できる(介助なしで外来が成立する)
病状が安定していて、定期受診が自力で継続できる
家族の付き添いがあっても「負担が軽い」範囲で通院が維持できている
単発の「薬だけほしい」ニーズ
「風邪っぽいから薬だけ出して」
「週末に鼻水が出るからとりあえず薬を」
「一回だけ皮膚を診てほしい(単発)」
訪問診療は“継続管理”が前提の医療です。単発ニーズだけだと、訪問診療の枠組みに合わないことがあります。(もちろん、緊急性や背景があれば話は別なので、まず相談はOKです)
すでに他の訪問診療が介入している
すでに別の訪問診療クリニックが主治医として入っている場合、制度上の制約で当院が「訪問診療」として重複介入できないことがあります。(皮膚科だけ単発で…のご相談が難しい理由もここにあります)
迷ったときの判断基準(チェックリスト)
「対象かどうか微妙…」という時は、次のチェックが役立ちます。
通院に 介助者が必須
受診のたびに 家族が仕事を休む
移動・待ち時間で 体力が尽きる/症状が悪化する
認知症などで 受診が成立しないことがある
服薬管理・生活管理が難しく、 継続的な医療の関与が必要
受診控えが続き、状態悪化のリスクがある
1つでも当てはまるなら、訪問診療を検討して良い可能性があります。
訪問診療を開始するまでの流れ(当院の場合のイメージ)
「情報が揃っていないけど相談していいの?」という声も多いですが、結論 大丈夫です。
お問い合わせ(電話・WEBなど)
現在の状況を確認(わかる範囲でOK)
初回訪問の日程調整
必要に応じて、当院から紹介状・検査情報などを医療機関へ依頼
介護側(ケアマネ・訪看・施設など)と連携しながら診療開始
在宅医療は「整ってから始める」より、つながってから整える場面が多いです。
よくある質問(FAQ)
Q. 訪問診療は寝たきりじゃないとダメ?
A. いいえ。寝たきりでなくても、通院が困難なら対象になり得ます。介護タクシーが必要な方、認知症で受診が成立しない方なども対象になりやすいです。
Q. どんな病気でも診てもらえる?
A. 多くの慢性疾患に対応できます。必要な検査(採血、画像など)や専門科の連携も含め、状況に応じて方針を組み立てます。
Q. 対象かどうか、誰が決めるの?
A. 最終的には医師が生活状況・病状・通院困難性をふまえて総合的に判断します。迷う段階で相談いただくのが一番スムーズです。
まとめ:対象は「思っているより広い」。迷ったら早めに相談を
訪問診療は、寝たきりの方だけの医療ではありません。通院に大きな負担がある方、受診が成立しにくい方、継続的な医療管理が必要な方にとって、生活を守る選択肢になります。
「これって対象?」と迷ったら、早めに相談してもらえると、無理のない形で医療と介護を組み立てやすくなります。
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