訪問診療は何をしてくれる?できること/できないこと一覧(在宅医療の範囲を解説)
- 恭祐 昼八

- 2 日前
- 読了時間: 4分
「訪問診療って、家に来て何をしてくれるの?」「どこまで対応できる?逆にできないことは?」
在宅医療は“何でも屋”ではありませんが、想像以上にできることも多いです。この記事では、訪問診療でできること/できないことを、分かりやすく一覧でまとめます。
訪問診療で「できること」一覧
1) 定期的な診察・健康管理
血圧・脈・SpO₂などのバイタルチェック
体調変化の評価(発熱、食欲低下、むくみ、息切れ、痛み など)
生活状況の確認(転倒、排泄、睡眠、栄養、服薬状況)
慢性疾患の継続管理(高血圧、糖尿病、心不全、COPD、腎機能低下 など)
2) お薬の調整(処方)
内服薬の処方・整理(飲み合わせ、重複、減薬の検討)
痛み止め、睡眠薬、便秘薬などの調整
認知症・せん妄の症状に合わせた薬の調整
服薬管理が難しい方への工夫提案(薬局との連携、剤形変更 など)
3) 検査(在宅でできる範囲)
採血検査
尿検査
心電図
必要に応じた簡易検査(施設や体制により異なります)
※当院では、状況に応じて**在宅での画像検査(例:レントゲン・エコー)**も組み合わせ、病気の見落としを減らす工夫をしています。
4) 点滴・注射などの処置
脱水時の点滴、抗菌薬点滴(適応判断あり)
皮下注射(インスリンなど)
筋肉注射、ワクチン接種(体制・時期による)
褥瘡(床ずれ)や創部の処置(状態による)
5) 医療機器・医療処置の管理(在宅療養支援)
在宅酸素(HOT)の管理
尿道カテーテル、胃ろう、ストーマの管理(連携含む)
中心静脈栄養など(対応可否はケースによります)
疼痛コントロール(がん・慢性疼痛
6) 24時間対応(緊急時の相談・往診)
夜間・休日の電話相談(体制による)
必要時の緊急往診(すべてのケースで即往診を保証するものではありません)
救急搬送が必要かの判断サポート
7) 看取り・緩和ケア
住み慣れた場所での療養継続
苦痛症状の緩和(痛み、呼吸苦、不安など)
ご家族への説明と意思決定支援(ACP)
看取り期の対応(訪問看護・介護と連携)
8) 多職種連携(介護と医療をつなぐ)
ケアマネジャーとの情報共有・方針相談
訪問看護指示書の作成
訪問リハ、薬局、施設との連携
必要に応じた主治医意見書や情報提供書の作成(目的により可否あり)
訪問診療で「できないこと」一覧(誤解されやすいポイント)
1) なんでも“その場で完結”はできない
在宅では病院と違い、CT・MRI・内視鏡などの高度検査は原則できません。必要があれば、外来受診や入院の手配をします。
2) 単発の「薬だけほしい」は訪問診療の枠に合わないことがある
訪問診療は“継続管理”が前提です。
「土日に鼻水が出たから薬だけ」
「1回だけ来て薬を出して」のような依頼は、訪問診療の趣旨と合わず、お受けできない・別提案になる場合があります。
3) “必ず専門医が訪問する”わけではない
たとえば皮膚トラブル。当院では皮膚科医が在籍していますが、初回から必ず皮膚科医が訪問するとは限りません。まずは訪問診療医が診察し、写真や所見を共有して皮膚科医がコンサルし、必要時に専門医が直接伺う—という運用になることがあります。
4) すでに他の訪問診療クリニックが介入している方への“重複介入”は難しい
訪問診療は管理料中心の制度のため、すでに他院が主治医として訪問診療に入っている場合、当院が同じ枠組みで介入できないことがあります。(皮膚科だけ単発で…などが難しい理由の一つです)
5) すべての緊急に「即」駆けつけられるわけではない
緊急時はまず電話で状況を整理し、
往診が適切か
救急搬送が必要かを判断します。状況によっては、119要請が最優先になることもあります。
6) 介護サービスそのものは提供できない
訪問診療は医療です。生活介助(食事・入浴・排泄の介助など)は介護サービスの領域なので、必要に応じてケアマネさんと連携して整えます。
「できる/できない」が分かれやすいもの(よくある質問)
採血:できる(多くのケースで可能)
点滴:できる(適応判断あり)
レントゲン・エコー:体制があれば可能(当院は活用しています)
CT/MRI:原則できない(病院受診が必要)
皮膚科の診察:できる(ただし最初から皮膚科医が行くとは限らない)
リハビリ:医師が実施するものではなく、訪問リハなどと連携
看取り:できる(訪問看護などと連携して支えます)
まとめ:訪問診療は「生活の中で医療を続ける」ための仕組み
訪問診療は、病院の代わりに“何でも”する医療ではありません。でも、通院が難しい方が生活を続けながら必要な医療を受けるために、できることはたくさんあります。
「これは家でできる?病院に行くべき?」迷ったら、状況を聞かせてください。医療と介護を含めて、現実的な選択肢を一緒に整理します。
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