top of page

訪問診療は何をしてくれる?できること/できないこと一覧(在宅医療の範囲を解説)

「訪問診療って、家に来て何をしてくれるの?」「どこまで対応できる?逆にできないことは?」

在宅医療は“何でも屋”ではありませんが、想像以上にできることも多いです。この記事では、訪問診療でできること/できないことを、分かりやすく一覧でまとめます。


訪問診療で「できること」一覧

1) 定期的な診察・健康管理

  • 血圧・脈・SpO₂などのバイタルチェック

  • 体調変化の評価(発熱、食欲低下、むくみ、息切れ、痛み など)

  • 生活状況の確認(転倒、排泄、睡眠、栄養、服薬状況)

  • 慢性疾患の継続管理(高血圧、糖尿病、心不全、COPD、腎機能低下 など)


2) お薬の調整(処方)

  • 内服薬の処方・整理(飲み合わせ、重複、減薬の検討)

  • 痛み止め、睡眠薬、便秘薬などの調整

  • 認知症・せん妄の症状に合わせた薬の調整

  • 服薬管理が難しい方への工夫提案(薬局との連携、剤形変更 など)


3) 検査(在宅でできる範囲)

  • 採血検査

  • 尿検査

  • 心電図

  • 必要に応じた簡易検査(施設や体制により異なります)

※当院では、状況に応じて**在宅での画像検査(例:レントゲン・エコー)**も組み合わせ、病気の見落としを減らす工夫をしています。


4) 点滴・注射などの処置

  • 脱水時の点滴、抗菌薬点滴(適応判断あり)

  • 皮下注射(インスリンなど)

  • 筋肉注射、ワクチン接種(体制・時期による)

  • 褥瘡(床ずれ)や創部の処置(状態による)


5) 医療機器・医療処置の管理(在宅療養支援)

  • 在宅酸素(HOT)の管理

  • 尿道カテーテル、胃ろう、ストーマの管理(連携含む)

  • 中心静脈栄養など(対応可否はケースによります)

  • 疼痛コントロール(がん・慢性疼痛


6) 24時間対応(緊急時の相談・往診)

  • 夜間・休日の電話相談(体制による)

  • 必要時の緊急往診(すべてのケースで即往診を保証するものではありません)

  • 救急搬送が必要かの判断サポート


7) 看取り・緩和ケア

  • 住み慣れた場所での療養継続

  • 苦痛症状の緩和(痛み、呼吸苦、不安など)

  • ご家族への説明と意思決定支援(ACP)

  • 看取り期の対応(訪問看護・介護と連携)


8) 多職種連携(介護と医療をつなぐ)

  • ケアマネジャーとの情報共有・方針相談

  • 訪問看護指示書の作成

  • 訪問リハ、薬局、施設との連携

  • 必要に応じた主治医意見書や情報提供書の作成(目的により可否あり)


訪問診療で「できないこと」一覧(誤解されやすいポイント)

1) なんでも“その場で完結”はできない

在宅では病院と違い、CT・MRI・内視鏡などの高度検査は原則できません。必要があれば、外来受診や入院の手配をします。

2) 単発の「薬だけほしい」は訪問診療の枠に合わないことがある

訪問診療は“継続管理”が前提です。

  • 「土日に鼻水が出たから薬だけ」

  • 「1回だけ来て薬を出して」のような依頼は、訪問診療の趣旨と合わず、お受けできない・別提案になる場合があります。

3) “必ず専門医が訪問する”わけではない

たとえば皮膚トラブル。当院では皮膚科医が在籍していますが、初回から必ず皮膚科医が訪問するとは限りません。まずは訪問診療医が診察し、写真や所見を共有して皮膚科医がコンサルし、必要時に専門医が直接伺う—という運用になることがあります。

4) すでに他の訪問診療クリニックが介入している方への“重複介入”は難しい

訪問診療は管理料中心の制度のため、すでに他院が主治医として訪問診療に入っている場合、当院が同じ枠組みで介入できないことがあります。(皮膚科だけ単発で…などが難しい理由の一つです)

5) すべての緊急に「即」駆けつけられるわけではない

緊急時はまず電話で状況を整理し、

  • 往診が適切か

  • 救急搬送が必要かを判断します。状況によっては、119要請が最優先になることもあります。

6) 介護サービスそのものは提供できない

訪問診療は医療です。生活介助(食事・入浴・排泄の介助など)は介護サービスの領域なので、必要に応じてケアマネさんと連携して整えます。


「できる/できない」が分かれやすいもの(よくある質問)

  • 採血:できる(多くのケースで可能)

  • 点滴:できる(適応判断あり)

  • レントゲン・エコー:体制があれば可能(当院は活用しています)

  • CT/MRI:原則できない(病院受診が必要)

  • 皮膚科の診察:できる(ただし最初から皮膚科医が行くとは限らない)

  • リハビリ:医師が実施するものではなく、訪問リハなどと連携

  • 看取り:できる(訪問看護などと連携して支えます)

まとめ:訪問診療は「生活の中で医療を続ける」ための仕組み

訪問診療は、病院の代わりに“何でも”する医療ではありません。でも、通院が難しい方が生活を続けながら必要な医療を受けるために、できることはたくさんあります。

「これは家でできる?病院に行くべき?」迷ったら、状況を聞かせてください。医療と介護を含めて、現実的な選択肢を一緒に整理します。

📞 お問い合わせ逢縁クリニック

📍札幌本院:札幌市北区北33条西2丁目1-15 KANTINE

📍白老町:白老町東町4丁目6-7 白老町総合保健福祉センター(いきいき4・6)内

 
 
 

最新記事

すべて表示
インフル?コロナウイルス?風邪?自宅での見分け方と受診目安(高齢者編)

「熱が出たけど、インフル?コロナウイルス?ただの風邪?」 高齢のご家族がいると、判断に迷う場面が増えます。しかも高齢者は、 症状が典型的でない こともあり、「様子見」が長引くほど肺炎・脱水などのリスクが上がりやすいのが注意点です。 ※この記事は一般的な目安です。症状が強い/不安が強い場合は、早めに医療機関へご相談ください。 まず最優先:この症状なら迷わず救急(119) or すぐ連絡 高齢者は「苦

 
 
 
訪問診療の費用はいくら?医療保険・自己負担の目安とよくある誤解

「訪問診療って高そう…」 「往診と何が違うの?」 「結局、月いくらかかるの?」 在宅医療は制度が少し複雑なので、費用が分かりにくいのが正直なところです。この記事では、 訪問診療の費用の考え方 と、 自己負担の目安 、そして よくある誤解 をまとめます。 まず結論:訪問診療は医療保険が使えます 訪問診療(在宅医療)は、基本的に 医療保険 で受けられます。年齢や所得により自己負担割合は変わりますが

 
 
 
訪問診療とは?対象になる人・ならない人を具体例で解説(在宅医療の始め方も)

「訪問診療って、どんな人が受けられるの?」 「寝たきりじゃないと対象にならない?」 「介護タクシーを使えば通院できるけど…それでも訪問診療の対象?」 こうした疑問はとても多いです。この記事では 訪問診療とは何か  を整理したうえで、 対象になる人・ならない人  を具体例でわかりやすく解説します。 訪問診療とは(在宅医療との違い) 訪問診療 は、医師が計画的にご自宅や施設へ伺い、 定期的(例:月2回

 
 
 

コメント


逢縁クリニック

診療時間 月〜金 9:00~17:00

北海道札幌市北区北33条西2丁目1-15 KANTINE 2-3F

bottom of page