高齢者が「食べない・飲まない」…それは病気?老衰?訪問診療でできること
- 恭祐 昼八

- 8月28日
- 読了時間: 2分

「食欲が落ちてきた」「水分もあまり取らない」——。高齢のご家族にそんな変化が見られたとき、多くの方が「病気かもしれない」と不安になります。確かに、感染症や消化器の不調など、治療で改善するケースもあります。しかし、私たちが訪問診療で向き合う場面の多くは、“老衰”による自然な変化です。
老衰による「食べない・飲まない」
老衰が進むと、体はゆっくりとエネルギーを必要としなくなり、食欲や喉の渇きを感じにくくなります。これは身体が最期の準備を始めたサインでもあります。ただ、この現実をいきなりご家族にお伝えしても、受け入れられないことがほとんどです。昨日まで元気だった姿があるからこそ、「何かしてあげられることがあるはず」と思ってしまうのです。
訪問診療の役割は「時間をかけて寄り添うこと」
訪問診療の医師がすぐに答えを出さないのは、単に病状を見極めるためだけではありません。ご家族が現実を理解し、気持ちの整理をつけられるよう、丁寧に対話を重ねることも大切な医療の一部です。「できること」と「しない方がよいこと」を一緒に考え、その人らしい日々を最後まで守るために、私たちは時間を惜しみません。
食べられない・飲めないときにできるサポート
訪問診療では、必要に応じて以下のような対応を行います。
脱水や栄養状態の評価
経口で摂れる工夫(ゼリー・トロミ・少量高カロリー食など)
点滴の適否の判断
苦痛を減らすための緩和ケア
ご家族への説明と精神的サポート
「食べない・飲まない」は、必ずしも“治せること”ではありません。けれど、“支えること”はできます。その人が安心して、家族に見守られながら最期まで過ごせるよう、訪問診療はそばに寄り添い続けます。
📞 お問い合わせ逢縁クリニック
📍札幌本院:札幌市北区北33条西2丁目1-15 KANTINE
📍白老町:白老町東町4丁目6-7 白老町総合保健福祉センター(いきいき4・6)内






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